生活がずっとなくて、ないからないなりの生活を送っていて、生活がないということと生活を送れているというのは両立する事象なのだ。なぜか。それを説明しようとしても私には生活それそのものが欠落の証明であり、なまじ直視したくないものであり、ないから…
昔幾何学構成の絵画にハマったことがあって、具体的に言うとカンディンスキー、モンドリアンの絵画にハマった。ハマった理由はシンプルに飽きていたからで、それまで僕はpixivでケモホモの絵ばかりを描いていたし、描けばそれなりに見て貰えていたけれど、な…
なんの気なしに腕が動く。動く、前後運動する。ごりごりと上腕筋が盛り上がった太い腕が肩の部分まで捲し上げられたぼろりと露出した腕が機械的に動く。振動で肌が震える。張りのある表面にリズミカルに血管が浮き沈みし、低い男たちの声が応援なのか歓声な…
僕は眠りにつく頃合いに全てがふんわりとした風景を見た。それは家族がみんな暖かく、微睡んでいること。世界に色がなく、ただ優しさだけが感じられる痛みが存在しない世界。抽象のモノクロームの情景の中に、車から見える一言、男性の変な声、上ずった悲鳴…
中学生の時に美術教師が『秒速五センチメートル』を教室内で流し、ほぼ一人で制作した映画であること、背景美術の美しさを真剣に語っていた時、僕はまだ十代も半ばくらいのひよっこで、ひよひよひよっこで、心も身体もぴよぴよとしていたわけなんだけど、そ…