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粉飾

白粉塗って、乾かして、いくら抒情って言ったって中身のないものは売れないみたいに残酷な世界の火蓋を切って落とされた快楽、情感、刹那的な印象をせしめて、蟹のように横歩きをする運命って横歩きする蟹みたいなものでしょ?劣悪な印象がどっか先細くなる髪枝毛がすごいにきびも、なんか白髪も、でも全部白塗りすれば目立たない。最高で、最高で最悪のショー……始まる呼吸がさざめく人の印象は孤独劣悪な模様がダンスセッション最高の因果関係に最大限のお金を投じて意味わかんないものを作る意味わかんないものを作ったって人はバスソルトにコーラの香りがあったら買わないでしょ?それと同じで、大差ないものの中で大差を作ろうとすると碌なことにならないって、全員それわかってて、あたしはでも大差ないものの中で差を作ろうと背伸びする人の気持ちは認めてあげたい、じゃないとあたし自身が報われないって言うか相関図を頭の中で思い描けないのは人に興味がないからじゃなくて、人の気持ちとかどうでもいいと思ってるだけ。冷たくないよ?むしろ温かくて、丁度人肌くらいの温度感のcharaくらいやさしい気持ちを歌ってる。孤独な歌姫が経済に呑まれてお偉くなっちゃうみたいに白く塗られた顔に三つの点が入って居たら《シュミラクラ現象》顔に見えるのと同じで、知ってた?顔って穴なんだよ。穴が複数個開いている芋みたいなものを、あたしたちって顔って呼んでるの。これって別に皮肉じゃなくて、芋みたいに見えるから。内蔵を吐き出すことで人間に認知されたナマコにも似ている兎には全然似てない寂しくて死ぬとか嘘だから。暴れたりない困惑、おれがそういうことを叫ぶのはひとえに単身で身一つで現場に乗り込むからで、ラブロマンスっつうのはなんだ?午後九時のドラマ?見たことねえけどたぶん人間は好きなんだろう。おれは甘いものが好きだ、枯れ葉も好きだ、生花は嫌いだ、見るのも吐き気がする。花っつうのは性器の露出だろう?それを嗅いで、悦に浸るっつうのは若者が「白子って魚のなんですか?」って聞いて場が凍り付くようなあの瞬間、人間の傲慢さが浮き彫りになるあの瞬間、全てが露呈すんのが亀頭みたいっつう話だろうに、人は、おれは人とかそういうのよくわかんねえけどよ、面白いものが好きなんだろう?美味いものも、みんな好きだ。不味いものを好んで食う輩は一生サルミアッキくっとけ馬鹿どもの宴におれは裸で参上する。腹肉に目を二つ、横に長く口を描けばさ、屈託の無い笑みがそこに誕生するって腹積もり、わけわかんねえけどよ、おれは『女』も好きだ。『男』は嫌いだ。臭えからな、臭い生き物はおれに近寄るな、臭いのはおれだけでいいんだよ。臭いものが地上を支配する王なんだよ。

 

なに言ってんの、『男』とか『女』とかで語るのは趣味が悪いっていうかあんまり頭が賢くない連中だけで、中身のなさをファッションで偽装して、なんかそれっぽく都合のいいことを言うために必要なアルミホイル頭に巻いてるってそれだけの話がなんであたしに魅力的になんの?おかしくない?全『女』を代表して浅いクリエイティブに社会性を持たせようとする稚拙な女性アートディレクターって多いけれど、まさにそんな感じで、あなたは『女』の代表なの?そんなわけなくない?となる気持ちはあたしはわかるっていうか、馬鹿だよね。全員、面白くないものが全てにおいて投げかけてくる疑問符、赤裸々で純情って春そのもので恥ずかしい。だから思い切り投げて青春を三段活用しているのにさ、連続ってさも続いているかのようで馬鹿みたい、馬鹿みたいだけどあたしは楽しい。楽しくて、おれもそうでしょ?あたしと一緒に踊りたくない?きっと見違える真実は枚挙にいとまがなくて、姿を露わそうにも独壇場で、そんな晴れ舞台にふさわしいロマンスがそこにあって、あれって嘘だからいいだけでしょ。

 

やだね。おれは鳥ガラみてえな『女』には興味がない。ふくよかな、というよりは少しむちっとしたくらいの、ぜい肉で顎が見えなくなっているくらいの『女』が好きなんだ。『男』でもいい。おれは脂肪分しか見ていないし、骨とか、皮で威張ってる女優は全員変態だと思っている。電車の中に本物よりも大きい人の顔をでかでか貼るなっつう話なんだよ。悪趣味なのは広告業界だよ、欺瞞だらけの連中が、金と地位を手にしてなに人様に偉そうな態度を取れるんだっつう話だよ。《電》っつう話がよお、これからもおれを好き勝手させる輩にパイの実っつうくだらない菓子を投げんなっつう話なんだよな。かさかさすんだよ、あれ。パイの実嫌いなの?嫌いじゃない。おれは甘いものが好きだ。好きならなんでそういうこというの、そういうことを言っているつもりはない。おれは自分がなにを言っているか常にわからないで生きている。それくらいがちょうどいいっておれの母ちゃんが言ってたから。甲斐性、あるようでないのがおれなのね。なんで母親の言うことは聞けて、繊細な乙女の純情は聞けないわけ?騙されている気分になるんだ。繊細とか、やわとか、おれはそんな言い草は苦手だ。おれには奥ゆかしさがなんなのか今まで一度もぴんと来たことが無い。平たいしね。なにがだ、おれの体躯の持つふてぶてしさ、態度が透けて見える感じ、結局玉座から降りようとしない腕力で支配するその態度、見透かされている気がしてそわそわするんでしょ。しない。おれは恥などで生きてはいない恥じゃないよ、当たり前のどこかの国の話で、おれの野望って独立国家を作りたいってことでしょ?それは勝手にやれば良いって話なんだけど、あたしの野心とか相違する。あたしはもっとわくわくする国を作りたい。気持ちだけで成立するような、頭が少し変になっちゃうような、蠱惑的なAIが作るような未来を、繊細さで包み込んで外に出すことが、まるで広告みたいに晴れ晴れとした、優しい嘘の世界を作りたいの。真実なんて嫌いだよ、まるであからさまに真っ逆さまに暗闇に落ちていくみたいじゃない、真実って。

 

おれはあたしの言っていることがいまいちわからねえけど、そのわくわくする国っつうのが塩梅でできているっつうのはわかるぞ。体たらくだ、塩梅っつうのは量りで作るよりもきっとだらしなく、そんなんじゃ甘い菓子は作れない。おれは自分で菓子を作りたいと思っている。今はそれは無理でも、いつかおれだけの王国を作り、そこに丸まる太った美女や、時折男を侍らせて毎夜パーティをするんだ。かっこいいだろう、ジャムセッションだろう、皮肉だろう、謙虚だろう。味わい深くもあるが、おれはそれだけでは満足しない。朝食のパンにはブルーベリージャムを付ける。二つもだぞ?ストロベリーでもいいんだ。なんでもつけていい、バターにシュガーにメープルに気持ちに……

 

おれが気持ちとかいうの珍しくない?とあたしは思ったけれど、それでもおれの思惑の中に、シンプルさが鼓動していることは伝わったし、ミクロの単位で劣情を使役する青い蝶があたしたちの眼前を掠めることは伝わったし、結局みんなベロベロに酔ったゴミゴリラみたいな感性しかもってないし、ちんぽでちゃんばらしたいだけでしょ?『男』って。聖域を守ろうとする取り組みがなくて、別におれのこと全然タイプでもなんでもないし、あたしは塩顔が好きだし、顎肉とか死んでもごめんだし、ぜい肉なんてなければ無いほどいいと思っているけれど、あと話が面白くないといや。あたしを楽しませてくれないと殺しちゃう。口が悪くても嫌、店員さんには気を遣って欲しい。背伸びしないで欲しい。トイレの優先権をあたしに渡してほしい。レシートとか財布にわざわざしまわないで欲しい。そういうみみっちさが『男』を台無しにするって早く気付いてほしいし、ってか賢くてイケメンが好き。顔しか要らない。生首だけ専用のフォークにぶっ刺して、それが腐敗せずに毎日お話してくれるならあたし喜んで三十万くらいならそれに出すし、電源もほら、ワイヤレス給電でうまくやって欲しい。ってか臨界点に達してほしい。誘惑なんてしないで欲しい。あなたがあたしの前にいるだけで、あたしのエントロピーが増大して拡散して消えちゃうくらいに蒸発しそうな男のフェロモンをあたしに放って欲しい。

 

おれか?お前じゃない、殺すぞ。おれだよな?お前じゃねえっつってんだろ、引っ込めデブ。おお、デブか。おれの肉体美をデブ呼ばわりする『女』は初めてだな、おれの女中の一人に咥えてやってもいい。死ね、おれは死ね。腐ったちんぽ舐めてろははは幻想で溺れるのを邪魔されて切れるのはあたしらしくていいな。痩せた『女』にもいいところがあると気付けた。今日は宴だ、宴会をしよう。するか、街コンで多額の金払ってブス捕まえとけカスブスでもいいぞ。おれは豊満な肉体なら『男女』問わずイケる。行くな、だったら僕を侍らせとけあいつはまだ利用価値があるからな。簡単におれがその気にさせるわけには行かんのだ。ああ?お前さっきからマジ偉そうにふざけんなよ、殺すぞ。おいヘアピンでお前の目玉くり抜いてやろうか?できるもんならな。あたしの身長じゃあおれの顔に手すら届かないだろうミジンコ。ほら、なあ。おれにどうやって、力で勝とうっていうんだ?ああ?

 

おれの腕があたしの身体を両脇から抑える。巻き込まれた腕にじわじわと力が掛かる。強烈な酸っぱい匂いが鼻をつき、あたしは今朝付けたコロンもったいなかったなとか急に我に返るどころか、この状況をどうにかしなければならないと頭を捻った。けれど力では及ばないどころか、おれの獰猛さは結局のところ知性では太刀打ちできない種類の暴力性であり、因果関係で最初から負けていた。互いに利害が一致して初めてあたしはおれを敵として認識しなかっただけで、あたしは最初から負けていた。おれがその気になれば、簡単にあたしのことなんて殺せるのだ。

 

だけどそのまま殺されるのは本当に嫌だし、せめてイケメンに首絞められて拷問されたいとか思わないわけでもないんだけど、こいつ不細工だし。鼻も上向いているし、身体もふくよかどころか百貫デブだし、相撲取りでももうちょっといい体系を心がけているよ。そんくらいでかくて、汚くて、汗臭くて、最悪なこいつのことをなんで僕は蹂躙されたがっているんだろう。こんなやつきもいだけじゃん。早くテクノロジーがこの世からブスとデブを消してくれればさあ、あたしは好きなだけイケメンとお話できるのに。なんでこの世ってこんなきもいの、早くシンジュラリティ、起きてよ。

 

おれは指先に力を込める。怯えた猫のような悲鳴が小さく『女』の穴から出てきたのがわかり、恍惚とした。弱者を力でねじ伏せるのは楽しい。娯楽だ。おれはさらに両腕に力を込める。『女』の身体はみるみるうちに横にたたまれ、内蔵が圧迫されたのか『女』の口からは過呼吸程度にしか空気が吐き出されていない。もっと締める。絶叫が轟く。もっと締める。もっと、もっと。『女』から音がしなくなった。なぜだろう?おれはただ遊んでいただけなのに、なんでこの『女』は、急に遊びについてきてくれなくなったのだろう。おれは興ざめして、両腕から力を解いた。粗末な身体になった『女』は出来事を出来事として認識しなくなったようだ。おれは欠伸をして、これからのことを考えた。ここが脳内でよかった、人をどんな風に殺しても罪に問われないから。

 

おれは『女』の身体の上で屁をした。それはちょうど『女』の顔があったくらいの場所で、こんな風に物事が終わるなら、繊細さとかだから嫌いなんだよと公に耽った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから耽美的なものの重要性って、にわかに信じられないくらいには騙し騙し培われてきたハイチューンでしょ?みんな錯乱状態のベーシストじゃん。明け方の夜は嫌い、みんなが起きてる時間が好き。冷たい夜は好き。暖かい夜は嫌い、嫌い、断じて嫌い。死ねばいいのにさあ、全員孤独に飢えて小便洩らしてその性器を尖った釘に引っ掛けて血を流せばいいのに。馬鹿みたいじゃんあたし。美しいとかにちょっとでも期待して、檻を見て破壊を目論んで、そんな風にお利口さんで居る自分がなんだか情けなくって、『女』って危機を感じたら喋るでしょう?あれって生存本能で、最後に本能がそうさせているんだと思うんだよね。普段ぶ厚くファンデで誤魔化した皮膚の表面にヒビが入ったらさ、汗でメイクが落ちてきたらさ、それだけでもうなんか萎えて、別に世界が滅んだってどうでもいいとか本気で思える《世界》歌を聴きたい《取れた首の断面》世界の理想形は過去形《過ぎたことを言っても仕方ないよ、未来に目を向けなきゃ》死ね《どうして》死ね幻聴《どうしてそんな》死ね、死ね、死ね、あたしの頭から出て行けよ、今すぐに消えろクソ幻《どうしてそんなことを言うの?僕は君たちが作り出した幻なのに》

 

世界が消える瞬間にディズニーのパレードみたいに花火がどんどん上がって、それで空に『HAPPYEND』とか書かれたら最高にかわいいのに。かわいいの大好き、楽園に生きたい。どうせいつか死ぬなら、楽園でハンサムなダディと死ぬまで踊って居たいよ。その時はあたしは痙攣するおばあちゃんだけど、今介護ホストとか流行ってるらしいし、需要あるでしょ?

 

ホストの悪意もおばあちゃんには太刀打ちできない。だからあたしは若さなんて捨てない。こんなトー横キッズみたいな風貌もいらない。全世界が焼け野原になっても廃墟となったデパートでブランドもの買いあさるババアで居たい。経済に満たされたい、世界をなけなしの愛で包み込みたい。でも財布の紐は緩めたくない。世界は多少、真実っぽく見えているだけで実体は嘘だから。このテーマが『粉飾』だからそれっぽくしているとか、そんなことは全然なくて嘘だから。全部嘘、投げやり、佇まい。

 

一ミクロンってどの程度の大きさ?少なくとも目には見えないよ。呼吸の一回で取り入れる酸素分子の量はどのくらい?少なくとも両手では数えきれないよ。宇宙の端から端までの長さは?観測可能な宇宙の総計は百三十七億光年と言われているけれど、今は多元宇宙論が主流だし、かつてのオカルトが今のスタンダードになりつつある社会だからどうなっていてもおかしくないよ。案外一ミクロン程度かも。魂の重さは?二十一グラム。これは都市伝説の類のものだけどね。人が生涯に動かせる心臓の回数は?知らない。たぶん百億回くらいじゃないの。今あたしのこと見てるあなたはどれくらいの大きさ?百七十六点五センチ。大人になってから急に身長が伸びたんだ。明後日って別角度の真理だったりする?わからない。魂は人の連続性だからね。瞼は一回の瞬きでどれくらいの情報を保存できるの?それは脳の役割なんじゃない。瞼ってただの皮膚だから、でもまあ、写真一枚の容量よりは遥かに多いんじゃないかな。ミラクルが起きる確率ってどのくらい?それは君が傑作を書ける確率の話?わからないよ、だって書いているのは君じゃなくて僕だし。世界はいつ滅ぶ?明日。常に滅び続けていて、瞬間的に復元されているよ。獰猛なサイがコンクリートブロックを破壊するのに必要なエネルギーの総和は?知らない。たぶん百Gくらいなんじゃない。あたしとの会話楽しい?楽しいよ。君との会話はわくわくする。誇りって持っていいもの?わからない。持つべきではないんじゃないかな。どうして?それは答えにくくて、答えたら嘘になるような淡い色の恋に近い瞬間的な景色だから、僕にそれがどうとかは答えようがないんだけど、一つ言えるのは、世界には沢山の光景があるってこと。それらは同時多発的に、僕らの総体である上空にある大きな情報の膜に取り込まれているんだけど、それは目に見えないものだから、感動や、悲しみとして降りてくるんだ。一人一人にそのケーブルがあるんだよ。それは世界を繋ぐ糸のようでもあり、現代のインターネットを支える海底ケーブルのようでもあるけれど、少なくとも目には見えない。驕りはいけないことだから、だから僕は君に誇りなんて持つなって言う。いつだって沢山の死体の上に僕らは立っているって、梶井基次郎もそう書いていたでしょ?